受験生のみなさんは、ひょっとすると、就職率等で志望校を検討したりしているかも知れないが、はっきりいって、今の時代の就活は、企業に対してのかなり売り手市場(学生有利)になっている。
そのため、就職率というのは、就職できて当たり前の環境下ではあまり意味がない。
もちろん、2008年のリーマン・ショック後の大学生の就職率が相当落ち込んだときは、就職率が受験校を選ぶ1つの大事な指標であったことは否定できない。
しかし、これまで採用担当をしてきた経験からいうと、基本的に、就職活動を普通していれば、今の環境下では、間違いなく就職はできる。(ただし、高望みをしなければという条件付き)
なので、就職率というより、ぜひ、もう少し欲を出して考えてもらいたい。
就職率より卒業生の就職先の企業規模を確認しよう
では、いったい何を見ればよいか?ということになるのだが、その大学の卒業生が、企業規模が大きいところ、いわゆる大企業にどれぐらい就職しているか?というのが役に立つ。
こちらのデータを見ていただきたい。
こちらは国税庁の「平成26年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-」で公表されているデータであるが、企業規模別の年収データである。
企業規模 | 10人未満 | 10人以上 | 30人以上 | 100人以上 |
---|---|---|---|---|
平均年収 | 330.6万 | 390万 | 386.1万 | 417.7万 |
企業規模 | 500人以上 | 1000人以上 | 5000人以上 |
---|---|---|---|
平均年収 | 462.1万 | 485.7万 | 507.8万 |
このデータを見ると、企業規模が大きくなるにともない、平均年収も高額になるということが明らかである。
なので、上場している大企業が、就活で人気になっていることもうなずける。
給料の額だけで判断するのはどうかとも思うが、1つの大事な指標として考えれるのではないだろうか?
給料の金額は、生活していく上で多いに越したことはないのは、言うまでもない。
受験生には、まだ、ずいぶんと先の話になるのだが、転職のときにも、実は、企業規模が結構影響してくる。
一般論だが、転職でキャリアアップをしていく上で、自身が在職中の企業規模が大きければ大きいほど、年収アップを狙った転職がやりやすいと言われている。一方、小さな会社からは、ハードルがかなり高くなると言われる。
いろんな意見もあると思うが、国税庁のデータからも企業規模による年収の格差は明らかなので、もし、進学先の大学を決めようとか、就職活動をする際には、企業規模も考慮しておくことをおすすめする。
しかし、現実は、大企業にどれくらい就職しているか?などの詳細なデータは、あまり各大学のホームページでは、積極的に公表されていない。
しかし、ごく稀に公表している大学もある。もうお分かりいただけただろうか?
つまり、企業規模別の就職データを提供している大学は、卒業生の就職に絶大な自信があることの裏返しでもあるので、志望校として考えてみる価値が極めて高いといえるだろう。